第1章 悲哀、師弟。
ヤムライハ…、泣き虫で可愛い私の弟子。
魔法のすべてを知り尽くし、怠惰していた私は、マグノシュタットから遠く離れた森で暮らしていた。
そんな私の前に、あなたは現れた。
『わたしに魔法を教えてくださいっ!!』
感受性の豊かで、純粋な。
私の教え方次第で、何色にでも染まる子供。
きらきらと輝かせた瞳に引き込まれて、私はあなたを弟子にした。
『立ちなさい、ヤムライハッ!!』
厳しかったでしょう、辛かったでしょう。
できない…と、いつも泣くあなたを慰めるのには苦労しました。
魔法を習得した時は、一緒に泣いて喜びましたね。
私は幸せですよ、最期まであなたといられたんですから。
でも…、
もっとあなたに教えたかったな…ぁ。
-end-