第4章 作られていく日常
「おはょ・・・ふぁ・・・ざす」
「おはよう。どしたの? やけに眠そうじゃない」
私が朝起きると、周助君は既にいなくて姉さんがコーヒーを飲んでいた。
「昨日は少し眠れなくて・・・」
「なに? 何か悩み事?」
「そういうんじゃ・・・」
・・・でも、そうかもしれない。
周助君との会話中に自分が言ったことを思い出して、なにかと混乱してたから・・・(汗)
そんな私に姉さんは、ははーんと不気味な笑みを見せる。
「さては・・・男に惚れたな?」
「はっ!?」
「女の悩みと言ったら恋! それが定番なのよ~」
「ちょ、勝手に決めつけないでよ!」
姉さんは私の話を全く聞いちゃいない。
「クォーターとの子供って、なんていうんだろうね~」
「しかも話が早い!!」
「結婚式には呼んでね☆」
「聞こうともしない!」
「名前なら付けてあげるからね~」
私のツッコミに反応することもなく、勝手に盛り上がってしまう姉さん・・・
「・・・相手のこと、聞かなくていいの?」
「聞いていいの?」
私はとにかく嘘話でもして話をそらそうとした。
「そうだね~今かっこいい人って言ったらメガネの人が思い浮かぶな。大人っぽくて秀才な感じな・・・」
思いっきり手塚君の事だ。
手塚君、すみません・・・
「ふーん・・・なに、年上なの?」
「さあ?」
「え”え~!? 気になるじゃない~っ!!」
「それよりも、姉さんには気になる人いないんですか?」
・・・話を逸らすタイミング、合ってた?
姉さんは私の質問に対して真面目に考えている様子で首をひねり始めた。
「私にそれ聞くか・・・うーん・・・」
本を書いているという姉さんに出会いがあるとしたら、編集者さんかそういう系の場所だろう。
・・・姉さんはそういうとこ行くのかな?
「・・・だめだ、わからん・・・」
「気にしないでいいですよ、姉さん。じゃ、私は学校行ってきますね」
「うん、行ってらっしゃい・・・」
私が家を出る直前に見た姉さんは、まだ考えているようで瞑想しているみたいだった・・・