第3章 テニス部
【周助SIDE】
「不二!」
「なに、タカさん?」
試合が終わってテニスコートを出ると、タカさんがいつものように不安そうな表情をして待っていた。
まあ・・・いつもより少しだけ不安そうに見えるけれど。
「あの・・・うちのクラスに来た転入生の女の子がいるんだけど」
「え・・・ここに?」
「うん」
彼女がここにきているということは、姉さんに何か言われて僕の様子を見に来たのかもしれない。
だったら、僕に用事があるのだろうか。
「うーん・・・とりあえず気になるから、見に行くだけ見に行こう」
「あ、ああ・・・」
見学に来るなら、おそらく竜崎先生のところにいるだろう。
竜崎先生がいそうな中心コートに向かって足を進めた。