第2章 学校
「結構学校もしっかりしてるんだ・・・」
「日本の中でもいい方よ。酷いところで数十人しかいない中学だってあるんだから」
綺麗に整備されたグラウンド。
磨かれた校舎の窓。
建てられてから年月は経つから所々剥げている塗装の壁もあるけれど、ちょっと覚悟していた汚い学校の姿はそこにはなかった。
「門みたいなのがあるんだ」
「まあね。そっちには無いの?」
「あるところとないところくらいあるよ~」
「そっか・・・あ~あ~。今日1日ルネと会えないのね~(泣)」
悲しいという感情をうまく表現して姉さんはハンドルの上に突っ伏する。
「中学に来れば?」
「用もないのに来賓として招いてくれると思ってるの?」
「あはは」
「それにしても・・・」
姉さんは私の格好をじいっと見た。
「よくもまあ、本当に昨日の今日で制服が用意できるものね・・・似合ってるけど♪」
「父のおかげです(キラン)」
「・・・社長」
私たちはその後も何とも言えぬ会話をしたあと別れた。
私は少し緊張してる自分を落ちつけようとゆっくり職員室に向かって歩き出した。