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アイドル☆キュンキュン【Mr.FULLSWING】

第1章 嫉妬


「付き合わないよ?」
○○さんは意外にも即答した。
思わず安堵のため息が漏れる。
これは恋愛対象は僕だけって意味っすかね?すごく嬉しいっす。
「そりゃーデレデレするとは思うけどぉ!」
・・・前言撤回。
そんなにデレデレした顔で言われたら信用ならないっす。
「でもあたしは犬飼君を恋愛対象として見てないから。っていうかあんなすごい人と付き合えないよー。」
○○さんはけらけらと笑って答える。
「あたしが恋愛として好きなのは忠之介だけだもん。」
そう言って○○さんは僕の腕に抱きついた。
あまりに珍しい行為に僕は少しどぎまぎしてしまう。
「部活中に親衛隊の中にいる時も、犬飼君以上に忠之介のこと見てるんだよ?」
「えっ!?それは嘘っすよね!?」
いっつも犬飼君のことを見てきゃっきゃうふふしてるくせに何を言ってるっすか?
それを見て僕がどれだけコンプレックスを感じていたか知らないっすよね?
「失礼な!1人で忠之介のこと見るの恥ずかしいから、人混みに紛れて見てたってのもあるんだからね!」
○○さんの顔を見ると恥ずかしそうに赤くなっていた。
「それに忠之介、いっつも練習に集中しててこっち全然見ないんだもん。」
今度はなぜか○○さんがふてくされ始めた。
そりゃあ正直な話、犬飼君にデレデレしている○○さんを見るのは辛いんすもん。
・・・つまり○○さんがこっちを見てる時に僕は○○さんを見ていなくて、
僕が○○さんを見てる時に○○さんは犬飼君ばかり見ていた、ってことっすか?
偶然のすれ違いがさらに嫉妬を深めて行ったってことっすかね?
「まぁ・・・○○さんが僕を好きって言うのは、一応信用してみるっす。」
「うん。ありがとう。」
日も落ちた帰り道、珍しく2人手をつないで帰った。
今日はここで折れてやるっす。
と思っていたのに。
「そんなに信用出来ないなら、明日絶対に信用させてみせるもんねー。」
○○さんの意味深な言葉に、僕は頭上にはてなを浮かべるばかりだった。
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