• テキストサイズ

〜浮雲〜《テニスの王子様》

第1章 〜人形のような少女〜



その頃テニスコートでは。


「あーあ、跡部あんな言い方しなくたって」


菊丸の言葉に、溜息で返す跡部。


「菊丸。お前が下手に絡むからやろ」


忍足が菊丸に呆れ交じりに告げる。


「え〜俺が悪いの?」


「…、困ってたっすから」


しらっと答える越前に、菊丸が目を丸くする。


「おチビ!何時から呼び捨て?!」


「…あぁ、よく考えたらクラス一緒だったっす」


「えぇ?!おチビ、ズルい!」


「確かに、有利やな、それ。ズルいわ」


「何がっすか」


ズルいズルいと連呼する菊丸と忍足に、越前はきょとんと目を瞬かせる。

テニス一筋の男が、恋愛感情に気付くには、大分時間を要しそうだ。

その事実に気付いた先輩達はにやりと笑う。

掠めとるなら今のうちだと。
/ 50ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp