第2章 〜Rute 越前リョーマ〜
それから、バイトが休みの日になると決まってリョーマは私の部屋で夕飯を食べるようになった。
その後彼の苦手な分野の勉強を教えて。
門限が過ぎる前に帰っていく。
そんな生活が約一ヶ月続いて。
もうリョーマに苦手分野は無くなって。
勉強がフランス語の習得に変わった頃。
「はい、これ」
私の寮の部屋で、突きつけるように渡されたのは、ラッピングされた綺麗な箱。
「え?」
「前のお返し」
それがけじめだとでも言いたげに。
「…ありがと。開けて良い?」
「良いよ」
リボンを解いて、箱を開けると、大きな蛍石の凄く綺麗なネックレス。
「わぁ…綺麗っ」
「付ける?」
「うん!」
髪を横に寄せると、リョーマが背後に回って留め具を付けてくれた。