第2章 〜Rute 越前リョーマ〜
が帰った後。
確かテニスボールを買ったっていう袋が残っているのを見つけた。
その持ち手の部分に、見慣れない紙が巻いてあるのが目に付いて、外してみる。
其処には。
—今日は楽しかったよ、ありがとう。
これはお礼。
受け取ってくれると嬉しいな。
綺麗な字で、そんな事が書かれていた。
つまりプレゼントという訳で。
ラッピングしてある箱を開いてみると、俺が目を離さなかった、有名スポーツブランドの新作シューズ。
サイズもぴったりなそれを、裏返したり、表替えしたりして、しげしげと眺める。
「やっぱバイトしよ…」
女にプレゼントされて、そのままなんてプライドが許さない。
かと言って小遣いだけじゃ、まともな物買えないし。
部活終わってから、できるバイト…探さなきゃ。
そうして、越前リョーマは気合を入れ直した。