第2章 〜Rute 越前リョーマ〜
「待て待て、美少女。飯ぐらい食ってけ」
「え?」
「まぁ、良いんじゃない?」
リョーマが良いのなら、構わないけれど。
リビングに降りると、さっきの美人なお姉さんと、赤髪お団子ヘアの女の人が居て。
「あらあら、随分可愛らしい彼女さんね。ゆっくりしていってくださいな」
「本当になぁ。リョーマにゃ勿体ねぇぜ。どーだい美少女、俺に乗り換えて…いっ!」
黒い半平姿の叔父さんがにやにやと私を見つめてくる。
が、最後の悲鳴…リョーマが蹴ったね。
「親父、下手なこと言うと潰すよ」
「潰せるもんならやって見やがれってんだ!リョーマぁ!」
「南次郎…?」
「ひっごめんごめん!冗談だよ、リンコちゃん!」
騒がしくも暖かい夕食。
初めてかも知れない。
こんな楽しい食事。
自然に笑みが漏れると、またもしんとする空間。
何で何だろ。
その後荷物が多過ぎる為、タクシーを呼んで寮へ帰った。
スポーツ用品店で買った袋はリョーマの部屋に置いたまま。