第2章 〜Rute 越前リョーマ〜
「…???」
「付き合ってくれるんでしょ。俺と」
「…え?」
ストリートテニス場のあれってそういう意味?
話の流れから、揶揄うのに付き合うって意味だと思ってたんだけど…。
「違うの?」
しゅんと寂しそうな顔をするリョーマに、胸の奥がずくりと疼いた。
「あ…うん、良いけど、後悔しないでね?」
「ふっ…なにその挑発」
くくっと笑うリョーマに心が温かくなって。
ふわりとリョーマの首に腕を回す。
頬に唇を触れさせると、彼の目が泳いで。
くすりと笑う。
「リョーマ、可愛い」
「…嬉しく、ないんだけど」
「格好良いが良い?」
「そりゃあ男だし」
ふいと顔を背けるリョーマにとくんと心臓が跳ねる。
「じゃあ今度試合に勝ったらね」
「分かったよ…。もう、帰るの?」
「うん、今日はありがと。楽しかった」
「送るけど?」
「大丈夫だよ。タクシーでも拾うから」
呟いて、荷物を持ったところで、部屋の扉がバタンと開いた。