第2章 〜Rute 越前リョーマ〜
「ただいま」
「お帰りなさい、リョーマさん。と…其方の方は?」
長い黒髪の凄く綺麗な女の人が迎えに出て来てくれて。
「彼女」
「へ?」
さっきまでの冗談だと思っていた私はきょとんと目を瞬かせる。
「…兎に角、部屋行くよ」
「あ…うん」
何だか普通に誤魔化されてしまったけれど。
まぁいいか。
彼の部屋は物が少なくて。
何だか凄く可愛い猫がいた。
「あ、カルピン」
「カルピンって…名前?」
「そう。凄くやんちゃだから、気を付けて」
「触れない?」
「…どうだろ」
その場でしゃがんでちょいちょいと手招きする。
すると、カルピンはタタッと寄って来て、身体を擦り付ける。
ふわりと撫でると、嬉しそうに喉をごろごろと鳴らす。
「…何か、複雑」
「昔から、動物には懐かれやすいんだよね」
「そうなんだ」
喉を鳴らすカルピンを抱き上げて、リョーマの机の横に立つ。