第2章 〜Rute 越前リョーマ〜
「じゃあリョーマ、今から買い物付き合って?」
「良いけど」
「本当?ありがと」
それから、靴や鞄、洋服なんかを次々見て回って、最後はスポーツ用品店。
「あ、最新作」
「本当だ。欲しいの?」
「…バイトしようかな」
此処で買ってあげるのは簡単なんだけど。
多分彼は嫌がるだろう。
頑固だし、意地っ張りだし。
男の子が女の子に誕生日でも無いのに物を奢られるのって、結構屈辱らしいし。
でも、じっと目を逸らさずに見てるって事は相当欲しいんだろうな。
あ、そうだ。
思い付き、私は店員さんに耳打ちした。
「何か買ったの」
「うん、ボール無くなってたし」
「ふぅん」
とか言いつつ、買った荷物の半分は何も言わずに持ってくれる彼。
言葉少ないから冷たいって思いがちだけど、本当は優しい。