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〜浮雲〜《テニスの王子様》

第1章 〜人形のような少女〜



翌日。

昨日同様越前君と時折会話しながら、授業を終えて、放課後のテニスコートへ。

皆が集まる前にマネージャー業を終わらせ、練習に参加する。

ストレッチにランニング、素振りに正確無比なラリー。

レギュラーと同じメニューをさせてくれてるんだから、竜崎先生には感謝しなきゃ。

と言っても、このトレーニングの後に試合なんて出来そうに無いけれど。


「はぁ…はぁ…っー」


「なんじゃ、。余程なまっておる様じゃの」


「…あはは。は…自分でも、びっくりしてますよ」


「そうかい。今日は試合はせんように」


「ええ、言われなくても。今日は…「おい。今日は俺様と試合しろ」


びっくりする程のタイミングで声を掛けてきた跡部先輩。

でも、今試合なんてしたら筋肉痛必至だ。


「今日はダメ。このままやってもまともな試合出来ないから。三日、待ってください」


「あーん、三日か。良いだろう」


「ちょっと待ってくださいよ、跡部先輩。俺っすよ、次と試合すんの」


「何言ってやがる。俺様に決まってんだろ」


「俺っすよ」


「こらこら。やめんか、見苦しい。さっさと練習に戻らんか!」


竜崎先生の一喝で、跡部先輩は舌打ちし、越前君はちぇーっと呟いて練習に戻る。

と言っても、それは練習試合。

余りに優秀な選手が多いが為に、常に試合の中での進化を求めるスタイルなのだ。

元の中学が違う生徒達は、無駄に闘志を燃やすから、毎回良い試合が見られる。

今日の好カードは、忍足従兄弟のシングルス。

氷帝の天才と言われた忍足侑士。

自称浪速のスピードスターの忍足謙也。

それともう一つ。

同四天宝寺中、絶対予告の千歳千里と聖書の白石蔵之介。

さて、両方どっちが勝つかな。

今のスコアは、忍足従兄弟が3-1で忍足侑士の優勢。

もう一つの千歳千里と白石蔵之介は2-2で同点。

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