第1章 〜人形のような少女〜
食事を終えて、リムジンで女子寮前まで送ってもらったら、当然というか、何というか、女の子たちがすっ飛んできて。
殺気のこもった目で睨まれて、溜息。
「おい、てめぇら。に手ぇ出したら潰すぜ?」
ギラリと跡部先輩が睨みつけると、女子生徒達がひっと悲鳴をあげる。
「、何かあったら必ず言え。分かったな」
「…はぁ…」
気のない返事を返すと、跡部先輩は機嫌悪そうに目を細める。
「分かりました」
「それでいい。忍足、向日。お前らは男子寮まで歩けよ」
「はいはい」
「分かったわ」
運転手の人がリムジンから降りて、ドアを開けてくれる。
それにお礼を言いながら降りると、跡部先輩に頭を下げて、忍足先輩と向日先輩にお疲れ様ですと告げる。
そして、集まった女子生徒をすり抜けて、部屋に戻る。
ふっと息をついて、冷蔵庫の水を飲む。
制服を脱いで、シャワールームに入って。
お風呂上りに久々にストレッチとヨガをした。
汗はかかない程度に。
でも、体を解す様に。
そのあと、宿題で出てた問題集を終わらせ、適当に予習まで済ませる。
「…あれ、何ページまでだっけ…まぁいっか」
違ってたらその時間にやればいいや。
そう思って。
布団に潜り込んだ。