第1章 01 プロローグ
━━1時間後━━
「蘭?大丈夫か?」
『憲吾、大丈夫だよ。』
「ほんとか?」
『うん!』
「・・・」
『・・・けんご?』
「・・・なぁ、蘭。何があった?」
『えっ?・・・あぁ・・・実はね・・・?』
あたしは、憲吾に母さんが出ていった、
ううん、あたしを捨てたことを言おうと
決めた。だって、隠してたって憲吾には
わかられちゃうから・・・
『・・・』
「蘭?」
言うって決めたの・・・
言葉が出てこない。
でも、憲吾には言わなきゃ!
『あのね、』
「うん。」
『お母さんが・・・私を置いて、出ていったの。』
「・・・えっ?」
『だから、・・・捨てられたの、』
「・・・・・・」
『あの人ね?あたしより、彼氏をとったの・・・
フッ・・・笑っちゃうよね?』
「蘭・・・」
『あたし・・・っ、捨てられたんだよ・・・ね?・・・っ』
改めてお母さんに・・・あの人に捨てられたんだって思った。
何が悲しくて泣いてるのか、あたしにもわからなかった。
ただ泣き続けるあたしを憲吾は、抱き締めて頭を撫でてくれた。
「蘭・・・」
ギュッ
『けん、ご・・・っ!あたし、一人になっちゃった!!っ、けんご、けんごーっ!あぁぁぁぁ!!』
「蘭!!俺がいる!俺が、お前の側にいるから!」
この時のあたしは、憲吾だけが心の拠り所だった。そして、憲吾だけがあたしの家族だったんだ・・・。