第7章 ❇︎2月 玉砕覚悟で【うたプリ 神宮寺レン】
私、馬鹿だ。
アイドルを目指すレンともう会えなくなるかもしれないから告白しようと思ったんじゃないか。
なのに振られることに怯えて、逃げようとするなんて。
「……ふふっ」
『?』
「何でもない。今のレンの言葉で気付けたことがあっただけ」
『俺の言葉で?』
「うん…あのね、レン。私も告白しようと思うんだ、大好きな人に。後悔したくないから」
やらない後悔よりやった後悔。
言わずにモヤモヤするより、言ってすっぱり終わらせてしまおう。
この気持ちに、決着をつけよう。
『…そうか、頑張れよ』
「ありがとう…でも相手は好きな人がいるみたいなんだけどね」
『奇遇だね、俺の大切なレディもさ』
「そうなの?…ふふっ、じゃあ同じだね」
『あぁ。俺たち2人共、』
「『玉砕覚悟で』」
彼が少しでも食べれるようにと甘さ控えめに作ったチョコレート。
それがレンの口に入って、彼が美味しいと笑うのは。
お互いの好きな人が分かるのは。
その次の日の話。
チョコレートより甘い1日を。
Happy birthday to Ren Jinguuji.