第2章 これが私の学園生活です!
「だけちょも、あの先生の授業は、分かりやすい」
「そぉけぇ?俺は、難しいっぺ?」
「あんこは、頭がバカだかんな」
セレナの数学担当は、ベールヴァルドとダンのクラスも持っていた
その担当の代わりに、今の数学担当が入ったのだ
「ベールは、数学得意だから、良いじゃない。はぁ……、世の中って、何でこう不公平なのかしらね」
「あはは、セレナちゃんたら……」
そんなやり取りをしていると、チャイムが鳴った
次の授業もある為、皆バラバラになり、そのまま解散となった
「………はぁ、鬱だなぁ」
溜め息混じりで、教室に向かうセレナ
そんなセレナだが、実は気になる事があった
それは、初めて新担当と会った時のこと
その時、教室は新しい先生が来ると、話題が持ち切りだった
「あんな、次来る先生。ウチのお兄ちゃんなんやで!」
ベルが自信満々に答える
「あれ?確か、ベルって、1人っ子じゃなったっけ?」
「せやよ!やけど、来るんは、お兄ちゃん。……まあ、私の従兄弟なんやけどな」
「へえ、ベルの従兄弟か」
その時、セレナは興味を持った
ガラッ―――……
ドアの開く音がして、一斉に振り向く
「お~い、お前達。紹介するぞ!この人が、新しい数学の担当の先生で…」
「ランや。よろしゅう」
新しい数学担当――ランが言ったのは、それだけだった
それだけなのだが、セレナはランを見た瞬間
「………?」
会った事も無いハズなのに、何処かで会ったような感覚が、セレナの中にあった