第13章 赤葦とバレンタイン
きょうは、
バレンタイン。
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シャワー、よし。
爪、よし。
おろし立ての 私服、よし。
( すいれんと買い物に行ったときに選んでもらった)
すいれんの起床、よし。(待ちぼうけはイヤだ)
自宅の掃除、よし。
いざ、 すいれんのもとへ。
以前 出かけたときに、 すいれんに好評だった靴を履いて、玄関の扉を開けた。
あいつ、どんな服でくるかな。
ヒール履いてきても、俺が屈まない限りキスできないから、よく膨れてる。かわいい。
バレーやるには割といい身長もらってるけど、こういう利点もあって、ほんと、
「笑えるな、」
くちがすべった。
くちに手を当てて思わず辺りを見渡した。幸い小道に誰もいなかった。
はやく、会いたい。
黒くて ほろ苦い 愛のかたちをもらったら、赤い花束で返すんだ。花がほしいと言ってたから。