第7章 赤葦と木兎と帰り道
指が交互になった。
やっとけいくんに触れられてうれしさで いっぱいになっていると、彼がご機嫌だね、 すいれん。と言う。
あしたは、休み。
ショッピングモールで服を買うのをみてもらうのもいいな。(けいくんの隣を歩いていたい)(でも基本的に目線は感じるデフォ)(主にけいくんに対する)
それとも、けいくんを独り占めできるから、
一日中あったかいこたつで、けいくんのお膝にのって ホームシアターするのもいい。
けいくんの、清潔感のあるくるまの助手席に乗って、彼に聞いた。
「ねーねー、けいくん、あしたなにしようか?」
「んー」
一旦マフラーに顔をうずめて、まだ寒い車内に 白い息を見せてからけいくんは、
「 ……ふたりがいいな」
と言った。
けいくんが ぐんと助手席に身を乗り出してきて、唇をそっと合わせる。
2秒も合わせない、みじかいキス。
はい、ホームシアター、決定。
おいしいごはん、いっしょにつくろう。
/
おそまつさまでした。