第1章 出発点
____終焉の地、ミスティヘイズの悲劇
エリエルが14歳のとき
ある海賊がジュエリーの島に漂流した
海賊は、海賊でありながら心優しかった
フォレンリース族は温かくもてなした
そして信用してしまった
海賊に一族の秘密を教えた
水の中で人魚になれること
宝石を作り出せること
エリエルは水の奏者だということを全て
海賊は野心をもち、島を去った
一年後、悲劇が訪れた
5隻の海賊船が島に来た
人魚を数匹明け渡せ、
水の奏者を渡せ、と
もちろんフォレンリース族は断った
そこで戦いが幕を開けた
海賊たちは水場を閉ざし、逃げられないようにした
捕らえられていく女たち
その中に、エリエルはいない
水で作り出した武器を手にして戦った
空中から水分を剥ぎ取って
だが周りでは死んでいく者が、
エリエルは最終的に海へ逃げた
一族を見捨て、隙を突いて逃げた
一族は要を失くし、滅びていった
捕らえられた女たちは売られ買われ、奴隷にされた
ジュエリーの島は消えた
―終焉と微かな灯火―