第2章 2.振り向かせるから【百夜ミカエラ】
「何か、久しぶりに見た気がする」
「何が?」
「ミカの笑った顔」
「そう?」
「そうそう」
そうだっけな~って首を捻ってるミカ。吸血鬼になってからずっと険しい顔しかしてなかった。優ちゃんのことしか考えてないし。
「ミカは、優ちゃんと私。どっちが大事?」
ちょっとした興味だった。
「それは……。2人とも大事だよ」
やっぱり私だけを選んではくれないか。まぁ、分かりきってたことだけどね。
「いつか、私しか見えないようにしてあげるから! 覚悟しててよね! ミカ!」
何を急にとでも言いたげなミカにドヤ顔をかます。
「とうとう清華も優ちゃん化してきたか……」
「ちょっと! どういう意味よ!」
「頭のネジがかなり抜けてるってこと」
「優ちゃんよりは抜けてないよ! 絶対に!」
「1本は抜けてるんだ……」
END