Run.run and fly. ーハイキュー!!ー
第2章 紫波サービスエリア 下り
「ふおぉ。やっぱあの二人が揃うと凄いなッ」
しょげていた日向が、アスファルトから砂埃をあげかねない勢いで走り去る二人を見送って大きな目を見張る。
「うーん、良くも悪くもウチらしくなるな、アイツらが居ると」
困ったように笑う東峰の横で、月島がジロジロと影山を眺め回した。
「・・・こっからバスに乗んの?」
「悪ぃかよ」
顎をあげた影山が月島を見返す。月島はまた眼鏡のツルに指をかけて眉をひそめた。
「・・・出すものはちゃんと出してから乗ってよね?キミらって何しでかすかわかんなくておっかないんだよ」
「どういう意味だ?あ?」
「バスでウンコ漏らすなって言ってるんだよ、だろ?月島!あぐッ」
溌剌と言い放った日向の頭に影山の拳骨が落ちた。
「誰がウンコ垂れだゴラ!!」
「何で俺に怒んだよ!?何かちがくね!?俺じゃなくて月島だろ!?バカなの?影山バカなの!?」
「オメーがバカって言うな!スゲェ腹立つ!!」
「だってバカじゃん!?俺関係ないだろ!?」
「関係ねえコトに口挟むな、アホウ!」
「俺に怒んなよ!何だよ、このバカ!ウンコ垂れ!」
「黙れボケがッ!!!ガリガリくん食らわすぞゴラぁ!!!」
「ハイそこまで」
東峰が割って入った。
「こんなトコでそんな喧嘩してどうすんだ。そろそろバスが出る。行くぞ?」
「だって旭さん、影山のバカが・・・!」
「あ?俺じゃねェよ。大体月島のボケが悪い。皆アイツと日向が悪い」
「だッ、ばッ、何言ってんだよ!あッ!もしかして俺がボスブラック買ったから?だから?」
「・・・・・このボケが・・・」
「月島ならとっくに行ったぞ。俺も行くけど置いてっていいか?何かもう、遠征前からお前ら賑やかすぎ・・・・」
「だってコイツが・・・ッ」
二人の声が重なって、東峰は苦笑いで溜め息をついた。
「・・・・先が思いやられるなぁ・・・.」