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(R18) お嫁さんになりたい!(HQ)

第1章 お嫁さんになりたい!



 これは奇跡ですか。
 はい、紛れもなく。

 焦がれて止まない木兎先輩が目の前にいるのだ。これを奇跡と呼ばずになんと呼ぶ。

 しかもだ。

 木兎先輩が、俺に、バレーを教えてくれている。奇跡すぎて涙でるし、実際ちょっと涙目だ。


「うーん……櫻田は肩に力が入りすぎなんだよなあ。もうちょっとこう、リラックスしてレシーブしてみ?」

「こ、こう……スか?」

「ん、そう、いい感じ!」


 優しくて頼れるとか何なの。
 天使なの。天使でしかない。

 ありがとう神さま。
 地に頭を擦りつけてこの出会いに感謝します。

 興奮しすぎて内心ちっとも穏やかじゃないが、しかし、ここは冷静にだ。
 先輩のアドバイス通りに身体を動かすと、ポン、優しい音がしてボールが山なりに宙を舞った。


「おー! スゲエじゃん!」


 木兎先輩は、バシバシと俺の背中を叩きながら笑う。俺の背中を叩きながらだ。ここ重要。


(先輩の手が、俺に、さ、ささ、触っ……!!!)


 心臓がパーンするうう!

 今すぐ押し倒したい。いや押し倒されたい。もう何でもいい。木兎先輩とお話できるだけで、俺、死ぬほど幸せです!

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