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(R18) お嫁さんになりたい!(HQ)

第1章 お嫁さんになりたい!



 ふと、悪寒を感じた。

 背筋にゾクリとしたモノが走る。
 言い知れぬ違和感に肌が粟立って、その不快症状の根源を探した。

 体育館のドアの前。
 開きっぱなしになっている扉から、憧れの彼がいるコートへと目を走らせる。

 視線が、──捕まった。


(……やべえどうしよう)


 めちゃくちゃ見られてる。
 超見られてるのだ。赤葦先輩に。しかも顔がマジ怖え。あれは確実にキレてる。ブチ切れしてる。

 慌てふためくが時既に遅し。

 ツカツカとこちらに歩み寄った赤葦先輩は、盛大に舌を打ってみせて、それからこう言った。


「毎日そこで何してるの、お前」


 どうして、今更?

 木兎先輩に一目惚れをしてから早数週間。あの日から今日までずっと通い続けても、一度も怒られたことなかったのに。

 どう答えようか迷って、迷って、考えあぐねた末。俺は、声を低くしてこう言葉を返した。

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