第1章 お嫁さんになりたい!
思う。ロングサポーターは兵器だ。
少年の憧れを、一気に劣情にまで引きずり堕としてしまう。実に恐ろしいエロティックリーサルウェポンである。
「あかーし、このあと暇?」
「はい……まあ、暇です」
「じゃあ買い物付き合え、な」
いいなあ。いいなあ。
大事なことなのでもう一度言う。いいなあ。俺も木兎先輩とお買物したい。
ちょっと強引な誘い方なのがまたグッドだ。実に彼らしい。嫌がったフリして憎まれ口とか叩きたい。
「えー……買い物、ですか」
「なに。なんか不満なワケ?」
「だって木兎さん、悩みだすと長いじゃないスか……結局いつも同じサポーター買うくせに」
そう。まさにあんな感じでだ。
俺の夢をことごとく実現してる彼、赤葦京治先輩。二年生にして副主将に抜擢された、デキる男。
最大にして最強のライバルである。