第1章 お嫁さんになりたい!
「飛ぶの? 駄目だよ」
飛んじゃったら俺がつまらないだろ。先輩はそう言い放って、俺の髪を鷲掴みにした。
思いきり引っ張られて、目が冴える。痛いからだ。痛みで意識が引き戻されただけ。
やめろ。やめてくれ。
そう訴えたいのに、喉から漏れるのは情けない呻き声。まともに喋ることすら出来ない。
激しくなっていく律動。
先輩の先走りをローション代わりにして、止むことなく。欲を打ちつけられる。
「ん、ぐっ……ううっ……ん」
前後に揺さぶられる度、涙がおちた。
眦からこぼれる雫。埃っぽい床板を濡らす。倉庫を満たすのは猥雑な音だ。
結合部で鳴り響く水音。
俺の悲鳴。先輩の吐息。
身体を貫かれる痛みに汗が滲んで、肌が冷たくなる。赤葦先輩に腰を掴まれて、最奥を甚振られる。
歯を食いしばって激痛に耐えた。
耐えていると、突然、背中に熱を感じる。なにかと思って振り向けば、それは俺に覆いかぶさってきた先輩の体温で。