第1章 お嫁さんになりたい!
普段より低くなった声。
荒々しい口調。息遣い。
そのどれもが示してる。彼も、赤葦先輩も、この状況に欲情してる。
「変態は……どっち、ですか」
「……は?」
「先輩も、勃ってる、くせに」
息も絶え絶えに。
首だけで振り返ると、そこには先輩の凍りついた顔。怒り。困惑。羞恥。コロコロと変わる。
赤葦先輩は小首を傾げて、最後に、言葉では形容しがたい表情をみせた。
あえて例えるなら、鬼?
地獄の鬼もビックリして逃げだすような、そんな顔。怖いとか、そういうレベルじゃない。ヤバい。完全に目が座ってる。
「力抜け櫻田」
「へ、な、……ひっ、やああっ!」
「締めたら殺す」
俺は、女じゃない。
勿論愛液も出ない。
お分かりいただけるだろうか。濡れてもいない後孔を貫かれる痛みが、一体、どれほどのモノか。
「やっ、ん、……痛っ、嫌、んん!」
赤葦先輩の左手に両手首を束ねられて、拘束される。空いた方の手で口を塞がれて、呼吸を奪われる。
怒張した竿がナカで動く。先輩の尖端が内壁をこする。痛い。苦しい。痛い。
意識が、遠くなっていく。