第1章 お嫁さんになりたい!
そもそもこれは罰なのだ。
赤葦先輩の好きなひと。木兎先輩に惚れた罰。近付いた罰。
俺は知らなかった。
快感は時として、拷問。
この恐ろしくも甘美な事実を、俺は、この身を以って体験することとなる。
「い、痛、ああっ! いや、嫌だ!」
赤葦先輩と向き合っていた身体。それが今は反転させられていた。壁に両手をついて。腰を折って。
まるで、女がバックで挿入されてるみたいな体勢だ。
菊紋のように閉じたそこ。
使ったことなんて、ない。
何も受け入れたことがないのに、先輩は、無理やり指をねじ入れてくる。痛い。痛い。痛い。
いくら叫んでも無意味だった。
泣けば泣くほど、赤葦先輩は愉快そうに冷笑を浮かべた。彼は背面にいるから見えないけど、分かるんだ。
「櫻田、もっと泣けよ、ほら」
先輩の声が、悦楽に歪んでるから。