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(R18) お嫁さんになりたい!(HQ)

第1章 お嫁さんになりたい!



 ドンッ……!

 背中と後頭部にニブい衝撃。
 じわりと広がるのは痛みだ。脳がアドレナリンを噴出させて、視界が赤に染まっていく。


「痛……ってえな……!」


 何すんだよテメエ。

 そのくらい言ってやろうと思った。いくら先輩とはいえ、突然呼び出しといて【これ】はないだろう。

 倉庫の壁に押しつけられた右肩。
 赤葦先輩の体重をかけられてるせいで、身動きができない。

 俺は175cmしかないし、先輩はたぶん180cmを越えてる。背丈もリーチも敵わないのだ。悔しいことに。

 睨みあげる視線の先。

 図らずも上目遣いで、見上げる。憎々しげに俺を見下ろす、彼を。赤葦京治先輩を。



(はううっ……! イケ、メン!!!)



 鼻血ブーだ。もはや吐血だった。

 全身の血という血が顔面に集まる錯覚。頬が熱い。目元が熱い。あれどうしよう今更だけどこれ壁ドンじゃね!!?

 そういえば、と思い出す。

 赤葦先輩はモテるのだ。
 クールで品行方正。おまけに背も高いし、スポーツセンスは抜群だ。加えて梟谷学園が誇るバレー部の副主将なのだから、モテないワケがない。

 そんなモテ男に、俺はいま、壁ドンをされています。全校の女子生徒の皆さん。さぞ羨ましかろう。

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