第19章 志高く
「…宜しく」
神崎に促され、渋々挨拶の言葉を述べる。
「あぁ、宜しくな」
ニカッと屈託のない笑顔を向けた。
「あ、そういえば青島先生ってどんな持論をお持ちなんですか?」
「持論?」
「はい。
どの先生もお持ちだったので…」
「俺かぁ…俺のを聞いても大して役に立たないぞ?」
「そんなことありません」
「 “ 相手を尊敬しなければ相手の持っているものが自分の中に入って来ない ” かな」
「尊敬…」
「嫌ってばかりいたら悪いところばかり探して、その人の能力がちゃんとした数値で見えないだろ?
「あ、確かに」
「だから俺はどんな相手でも尊敬する部分を探すんだ」
「なるほど…」
「そういう水原は何か持論持っているのか?」
「い、え…俺は…」
「何か言いたいことがあるのなら、ちゃんと言葉にしないと伝わらないぞ。
やらずに後悔よりも、やって後悔だろ?」