第19章 志高く
翌朝。
当直明けの日にはぴったりな程眩しい朝日が昇っていた。
「急患が1人だけなんて、本当珍しかったですね」
「まぁね」
「おはよ」
「おはようさん」
始業時刻近くなり、藤代と神崎が出勤する。
「おはよう」
「あれ、青島さん?」
「ホンマや、どないしたんです?」
「あー、皆少し聞いてくれ」
改まった口調で話す青島は覚悟の決まった目になってた。
「昨日ようやく決心出来たんだ。
…今日からここ救命に転科になった青島豊だ。
専門は心臓外科。
今まで通り部長職で、フライトドクターではない。
まぁ…宜しくな」
「はーい、宜しく。青島さん」
「豊さんついに救命復帰なんかー」
「よ、宜しくお願いします」
「あぁ」
「ほら、神那ちゃんも。
せっかくなんだし挨拶ぐらいしたらどうなの?」
「神崎はいつから私の保護者になった訳?」
「良いから良いから。
ここは歳上の言うことを大人しく聞くの」