第17章 起点
「分かりました。
ヘリ戻って大丈夫ですよ!」
操縦士に伝え、現場に戻って貰う。
ストレッチャーと共に処置室へ向かう2人と並んで、自分は神那ちゃんの居るオペ室へと走る。
急いで、しかし丁寧に手洗いを済ませオペ着に着替える。
「神那ちゃん、僕に出来ることってある?」
「神崎…これ抜くの手伝って」
「もう抜いて大丈夫なの?」
腹部に刺さった鉄片。
「粗方の処置は終えたから。
私が身体を支える、躊躇わず一気に引き抜いて。
そのあとすぐに処置に移る」
「了解。
じゃあ抜くよ?
1…2…3!」
血で赤く染まった鉄片が全て抜かれた。