第17章 起点
「大丈夫だ。
怖いから、なんてそんな理由で霜月は助けるなんてこと言わないさ。
あいつは優しい人間だよ。
そういう言葉を使う時はいつも何かに誓うように言ってる。
あれはきっと自分に誓ってるんだ。
自分に誓って、その想いを現実にする為に努力してる。
無責任なことは言わないよ。
俺はそう思ってる。
だから大丈夫さ。
あいつが助けるって言ったら必ず助ける。
俺はそう信じてる」
「そう…ですね!」
同僚からの絶大な信頼を得ている神那先生。
俺もいつかはそういう存在になりたいな。
「お、来たぞ」
「行きましょう!」
「水嶋楓さん、10代女性。
左足骨折と腹部の強打」
「神崎、あと患者は?」
「1人です。
今悠くんが向こうで診てる。
ヘリ戻り次第こっちに搬送する予定ですよ」
「分かった。
神崎もこのままオペに入って貰って良いか?
霜月の方を手伝ってやって欲しい。
心配はしてないが1人じゃ流石に大変だろう」