第14章 代わりはまだ居ない
「そうそう。
弱音を吐いたって良いじゃない。
神那ちゃんは機械じゃないんだよ?
ちゃんとした人間。
無理をすれば当然疲れるし、それを続ければ身体は壊れちゃう」
「だから問題ない。
こんなのは放っておけばどうせ治るから」
「神那先生!」
「…私が我慢すれば済むことだから。
私が我慢すれば全ていつも通りに行くし迷惑する人も出ない。
やるしかないの」
どうして分かってくれないの?
「そんな自分を犠牲にしてばかりじゃダメですって!
誰かを犠牲にして成り立つ通常通りなんて誰も望んでなんかいません。
神那先生にとって今は長い人生の通過点に過ぎないんですよ?
がむしゃらに本気でやるのが悪いだなんて思いません。
けど、限度ってものがあるでしょう?
今の神那先生はそれを大きく超えてるんです。
だからこれ以上は無理だって、身体が悲鳴をあげてるんですよ。
そのサインに…気づいてあげてください…」
3人に怒られて、3人に心配されて。
医者が自分の体調管理が出来なくてどうする、そう厳しく言う者は誰1人居ない。