第12章 実力社会
「安心するのはまだ早いよ。
病院に搬送して、オペを終え、意識が戻ったら安心して良い時。
私はそう思ってる。
患者の体温に気を配って」
「はい」
「こっちも処置終わった。
まずこの熱傷ショックの患者からヘリ搬送して。
私は先にこの患者と病院に戻るから、君達は次のヘリで病院に戻って。
何かあったら必ず連絡すること」
急変ならば指示するから。
「「はい」」
気道熱傷の患者を2人に任せ、ヘリに乗り込んだ。
「患者情報。
30代男性、熱傷ショックの患者。
現場で挿管、止血を済ませ現在バイタルは安定」
患者情報を無線で病院に伝える。
『亜城西了解や』
無線越しに藤代の声が聞こえた。
あとは病院に戻ってオペすれば一応は問題ないだろう。