第12章 実力社会
「あ、せや。
神那さんって次の休みいつなん?
教えてや」
「どうしてそんなこと聞くの?」
人の休みなんか聞いて一体どうするつもりなのか。
「んー?
そんなん決まってるやん。
神那さんとデートしたいからや。
もちろん2人きりの甘〜いデートのことやで?
図書館とか病院巡りとか、そーゆーお堅いモンは嫌や」
ニカッと得意気に笑う。
「生憎だけど休みがいつかなんてまだ決まってない」
というよりここ最近まともにとっていない。
「え、えぇ…?」
おかしな声をあげるフェローはこの際カヤの外だ。
「残念。
ほな決まったら教えてな?」
「理由は?」
理由もなく人の休みを聞く人なんて居ないでしょ。
「相変わらずガード固いなぁ、神那さん。
さっき言うたやん、神那さんとデートする為」
「す、好きなんですか?
神那先生のことが」
「さぁ?どうやろな」
「私そろそろオペの時間だから」
そう言うと席を立った。
「行ってらっしゃい、神那さん」
「あ、お、俺も行きます」