第10章 公認と非公認
「そうですね、頑張ります!」
「あー、ダメダメ。
頑張っちゃダメだよ」
「はい?」
頑張っちゃダメ…?
「現場で1番邪魔、じゃなかった…迷惑なのはやる気のある人だからね」
何を言いかけたのか、途中で言い換えた。
「やる気のある奴は余計な仕事を増やすだけやからな」
「でも…」
より多くの人を助けたいと思うのは医者の性だと思いますけど。
「1番邪魔なのは腕じゃなく覚悟のない者。
やる気がどうのこうのじゃなく覚悟」
音もなくスッとステーションへ戻って来た神那。
「もー、びっくりさせないでよ」
「邪魔やなくて迷惑って言うてや。
そっちの方がまだダメージ少ないで?」
「意味は変わらない」
「響きがちゃうんです」
「興味ない」
気遣って発言する必要はない。
「でも俺は頑張りますから」
「好きにすれば」
「はいっ」