第10章 公認と非公認
「神崎先生の机っていつもこんなに汚いんですか?」
「あらら、はっきり言われちゃった」
参ったなー、と続ける神崎先生。
「そら言われますやん」
「でもその香水の置いてあるところは綺麗ですよね。
その香水って何かあるんですか?」
シンプルなガラス瓶に透き通った薄紫色の液体が入っている。
神那先生はシャワーからまだ帰って来ていない。
「あー、これね。
これは神那ちゃんから貰ったの」
頬をだらしなく緩め、ガラス瓶を撫でながら話す神崎先生。
なんだか嬉しそうだ。
「え、神那先生からですか?」
想像出来ない。
「神那さんが認めてくれた証なんやで。
ほら、俺も持っとるし」
ケースを親指と人差し指で挟んで見せてくれる藤代先生。
認めてくれた証…?
それってどういうことなんだろう。