第9章 医療現場に差別あり
「執刀医って替えられるものなんですか?
というより、どうして替えたいんですかね?
だって神那先生が執刀医なんでしょう?」
訳が分からない、という風に首をひねるフェロー。
「そんなもの決まってるでしょ」
そう。
そんなものは端から分かってる。
不本意というか理解出来ないものだけど。
「え?決まってるんですか?」
お惚けもここまでくれば立派だね。
「さて水原ちゃん。
あの患者さんはどうして執刀医を替えたがっているでしょう?
1、神那ちゃんが “ 女の子 ” だから。
2、神那ちゃんに “ 嫉妬 ” しているから。
3、神那ちゃんがまだ “ 若い ” から。
さぁ、どれが正解だと思うかな?」
わざわざ指まで立てて問題を出す神崎。
「あ、分かりましたよ!
答えは2ですね?きっと嫉妬してるんです」
自信満々に答えた。
「残念!」
「アホらしい」
「ちゃうよ」
またも3人同時に否定される。