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キミ日和

第6章 【蕾が開く頃日和】幸村精市




「あ~~~、もう!そうです!忘れていたんです!慌てて花壇からちょっと借りてきたんです!!」


そう観念して暴露すると、精市に掴まれた手をガバッと離し、私が悪うございました!そう言って開き直る。


「この蕾が開く頃、ちょうど誕生日だな・・・って思ったんだ・・・」


無理やり植え替えたから、しおれ始めてる・・・そうため息をつく精市に、ご、ごめんなさい!許して・・・?そう涙目で謝ると、どうしようかな?そう精市は黒い笑みを浮かべる。


「ひいっ!殺さないで!!」
「殺すはずないじゃないか、本当に璃音は面白い子だね・・・」


それじゃあ許してくれるの?そう微かな希望の光を見つけた気がして目を輝かせた私に、でもそのかわり、そう精市は一段と黒い笑みを浮かべる。


「この蕾の代わりに、璃音の蕾を花開かせて貰おうかな?」
「・・・へ?」


私の蕾・・・?なんじゃ、そりゃ・・・?
意味が分からず首を傾げる私に、精市は今にわかるよ?そう言ってそっとキスをする。


へ・・・?な、なんで・・・?そんな精市のキスに惑いながらも、許してくれるならいいや、なんて彼を受け止めて力を抜くと、そんな私の心を見透かしたのか、精市はキスを段々と深くしていく。


「ちょっ・・・?せ、ん、っ・・・!」


目を見開いて精市の身体を押し戻すも、がっしりと腰に腕を回されて、精市はその抵抗を許してくれない。


私の口内に侵入してきたそのキスは、いつもの優しいものじゃなくて、もっとなんて言うの?情熱的な・・・?というより、もはや官能的な・・・?


そう思うと同時にブレザーの中に滑り込んできた精市の細い指先。
私のブラウスのボタンを慣れた手つきで次々と外していく。


「せ、精市、ちょっ・・・なにっ!?」
「だから言ったろ?璃音の蕾を花開かせてもらうって。」


私の蕾って、ソウイウコトーーー!!??


「やだ!ちょっと!せ、精市・・・待って!」


その意味に気がついて焦る私に、ネクタイを緩めながら、待てないよ、そう精市は余裕の笑みを浮かべる。


「まさか愛しい彼女に誕生日を忘れられるなんてね・・・覚悟は出来ているよね?」
「わ、悪かったってばー!!」


そう2人きりの部室には私の最後の抵抗が響き渡った。

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