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【ハイキュー!!】【短編】烏養繋心のクリスマス

第1章 12月18日(土曜日)



「ねえ、来週も毎日練習なの?」

「あたりまえだろ」

「冬休み中なのに?」

「冬休み中だからだよ」

「毎日練習つきあうの?」

「コーチが練習休んでどうするよ」

「じゃあ全然遊べないし……」

「遊びにきてんじゃねぇか、ここに」

「そういうんじゃなくて!」

別に私、坂ノ下商店に遊びに来てるわけじゃない。

烏養さんが店番あるっていうから、来てるだけ。

「しょうがないだろ、春高までは。土日の夜しか空いてないんだから」

「空いてないじゃん。仕事あるじゃん」

土日はバレー部の練習も夕方まで。

でもその後、烏養さんは店番がある。

男子バレー部悲願の春高は1月……

それが終わるまでは、どこにも2人で行けない。

何もできない。

「だって夏もどっこも行けなかったし」

「しょうがないだろ、インハイだったんだから」

「烏養さんのいいわけっていつもバレーだね」

「しょうがないだろ、コーチなんだから」

しょうがない。
しょうがない。
しょうがない。

「もうそれ聞き飽きた!」

「なに怒ってんだよ……最近よくイライラしてないか? カルシウム足りてねぇんじゃねぇの?……ほら」

ぽんと何かが飛んでくる。

キャッチすると、キリンの絵が書いてある袋。

ぐんぐんバー……

「ちょっと、子供じゃないんだから!」

「高校生はまだ子供だろうが」

呆れた顔を向けられて余計に腹が立つ。

いつもそう。

子供扱いして、いろんなことに線を引きたがる。

高校生は子供じゃないのに……

いろいろなモノが欲しい大人、なのに……

「そんな高校生に手を出しちゃって付き合ってるのは、どこの誰ですか~?」

わざと茶化して顔を覗き込む。

考支の応援に行った試合で知り合った。

3回目にご飯を食べにいったとき、車の中でキスされた。

付き合い初めて半年。

キスもセックスも、最初に手を出したのは、烏養さん……かもしれない。

でも……

きっと今は、私の気持ちの方が強い。

「……悪いと思ってるよ」


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