第8章 お酒の味
「あー…頭いて…。」
直人は頭を押さえた。
「お水飲む?」
「うん…ていうかごめん。昨日会社の飲み会で散々飲まされて…気付いたらシュリの部屋にいて…。」
「直人、部屋間違えたんでしょ。」
「多分…でもその後のこと、ちゃんと覚えてるよ。」
昨日のことを思い出して急に恥ずかしくなった。
「お水、持ってくるっ…。」
ベッドから出ようとした私を直人が抱きしめた。
「俺、シュリのこと好きだよ。ずっと好きだった。」
「…ホントに?」
「そんな嘘つかないよ。」
「まだ酔ってるとかじゃないよね?」
「酔った勢いだと思ったの?」
「ちょっとだけ…。」
すると、直人はふてくされた顔をした。
「確かに酒の力借りて告白しちゃったのもあったけど、シュリのこと本当に好きだよ。」
その言葉で不安な気持ちは無くなった。