第5章 徹の過去
徹が、私のことを好き。
でも、私は…。
「私は…直人のことが…。」
「好きなんだろ?知ってるよ。」
「ええ!?なんでそこまで…。」
「お前みたいに鈍くねーから。ちなみに俺がお前のこと好きなの、多分七瀬も気づいてるぞ。」
「嘘でしょ…。」
なんか、ショックだ。
色々とショックだし、鈍感な自分が恥ずかしい。
「だから、今はそれでいい。」
「はい?」
「別に今は池田のこと好きでいいよ。でも、絶対に俺のこと好きにさせるから。」
それは何の宣言ですか徹さん…。
呆気に取られる私を見て、徹は不敵に笑った。