第21章 すれ違う心
徹の誕生日から1週間後。
エミリが勢い良く病室のドアを開けて入ってきた。
「お姉ちゃん!」
「どうしたの?」
「目、覚ましたの…!」
「え?」
「だから、徹さんが目覚ましたの!!」
頭の中が軽くパニックになった。
「うそ…。」
「ホントに!後遺症とかも無くて、普通の病室に移ったって!」
ずっと待ち望んでいた。
ずっとずっと、信じて待っていた。
安心したら急に涙が溢れた。
「良かった…っ」
エミリが私に抱きついた。
「お姉ちゃん、良かったね。本当に本当に良かったねっ。」
信じて待ち続けて良かった。
神様は、私から徹を奪わなかった。