第17章 50%の約束
「シュリ、とりあえず必要な荷物だけ纏めて、明日長野に帰るわよ。長野の病院で治療できることになったから。急だけど、明日から入院になったからね。」
「お母さん…。」
「なに?」
「徹に会いたい…。」
病名を告げられた時、まず頭に浮かんだのは徹の顔だった。
私は、スマホを取り出して徹に電話をかけた。
「シュリ?どうした?」
徹の声を聞いた瞬間、涙が溢れた。
「徹…助けて…。」
「…今から帰る。」
それだけ言うと、徹は電話を切った。
母は私を抱きしめてくれた。
「シュリ、大丈夫だからね。」
「…お母さん、私死んじゃうのかな…?」
「そんなことない。ちゃんと治療すれば治るわよ。」
大丈夫…そう呟く母の肩は震えていた。
しばらくして、突然玄関のドアが開いた。
徹が息を切らしながら部屋に入ってきた。
「…シュリ…っ。」
「徹…。」
徹は母が見ていることも気にせず、私を抱きしめた。
「なに泣いてんだよ…。」
「徹…私…やっぱり白血病だった。」
徹に手を引かれ、私は立ち上がった。
「お母さん、少しシュリと二人で話してもいいですか?」
「ええ…。」
母から承諾を得て、私達は徹の部屋に行った。