第12章 大学祭1日目
「え、そうなんですか?」
紫音先輩は微笑みながら頷いた。
正直、凄く恥ずかしい…。
「お姉ちゃん、私そろそろ行くねー。」
ポストカードを買ったエミリがそう言った。
「うん、わかった。気をつけてね。」
「うん!久しぶりにお姉ちゃんに会えて良かった。お姉ちゃんのお友達も先輩達もみんないい人だし…これからもお姉ちゃんのこと、よろしくお願いします。」
エミリは来た時と同じ様に丁寧にお辞儀をした。
「エミリちゃん、最後に1枚写真を撮らせてもらえないかしら?」
桐生先輩はすでにカメラを構えていた。
「いいですよー。あ、お姉ちゃんと一緒でもいいですか?」
「もちろんいいわよ。」
「お姉ちゃん、一緒に撮ってもらおー。」
そう言われ、エミリの隣に立った。
エミリと写真を撮るなんて何年ぶりだろう…嬉しくてまた涙が出そうになった。
エミリは私の腕に自分の腕を絡めた。
「それじゃあ撮るわね。3、2、1…。」
桐生先輩がシャッターを切るのに合わせて、私とエミリは笑った。
「じゃあお姉ちゃんまたね。夏休みになったら長野に帰ってきてね!」
「わかった。またね、エミリ。」
エミリは笑顔で学校から去って行った。
「みなさんありがとうございました。七瀬と徹もありがとう。」
みんなにお礼を言う。
「可愛い妹さんだったねー。ね、みんな?」
小山先輩の言葉にみんな頷いた。
こうして、大学祭1日目が終わった。