第10章 行方不明の徹
翌日。
朝になると、足首の腫れは引いていた。
立ってみると、痛みもほとんど無かった。
良かった、これで学校に行ける。
いつものように支度をし、部屋を出た。
徹が出てくるのを待ったが、いくら待っても徹は部屋から出てこない。
腕時計で時間を確認する。
このままでは遅刻してしまう。
私は徹の部屋のチャイムを鳴らした。
何度か鳴らすが、徹が出てくる気配はない。
「徹ー?遅刻しちゃうよー?」
そう呼び掛けるが、反応はない。
私は一応、徹に先に行くとメールを入れ、一人で学校に向かった。