第2章 着、本丸
_「主? ずいぶんと嬉しそうだけど何かあったの?」
「あ~。 まね!」
燭台切の問に、命は嬉しそうに答える。
約束は十時。 部屋に直接送ってくれるという話だ。
そんなことを考えながら鼻歌を歌っていると、燭台切がもじもじと太ももをこすり始めた。
「主……」
「朝から? 仕方ない。 厠でヌいてこい」
そう言い、命は棚からいかがわしい本を取りだした。
燭台切に渡すと、それを抱えて厠に走って行く。
この通り、命の本丸の性欲は並大抵ではない。
自らを慰め始めたら体力が尽きるまでやめられないし、女性が本丸に来たら、まずは値踏みを開始する。
といっても、もともとこんな本丸に来る女性もいないし、来たとしても刀剣たちのお眼鏡にかなう女性は今までいない。
だからこそ命は楽しみなのだ。
「ふふふ……」
怪しい笑みを浮かべながら、昨日渡された刀剣の写真を見る。
写真でも分かる豊満な胸、きゅっと締まったウエスト、ハリのある尻、端正な顔立ち。
今日来る子がこの通りなら、命は今までお世話になっていた本を全て刀剣たちにお下がりするつもりだ。
「さてと、どうしてやろうかな~」
この美少女が上げる喘ぎ声は、どんな感じなのだろうか?
こんなに大きい胸の感触は? 脱いだ時の身体は?
……ナカに入れた時の、快感は?
「!?」
そんなことを考えていると、いともたやすく勃ってしまった。
我ながら情けない。
「ん……くぁっ」
ズボンとパンツを下ろし、手でしごいてやる。
審神者になってから、これを何回繰り返しただろうか。
早く射精したくて、命は写真の美少女を思い浮かべる。
「あああっ」
情けない声と共に、手に温かいモノがかかる。
ティッシュで適当に拭きとり、命はズボンを直し、部屋に戻った。