第2章 着、本丸
_「初めまして命様。 今回は……」
目の前でスーツをきっちりこなした女性の話を、半分聞き流しながら命は値踏みをしていた。
タイトスカートに包まれた健康的な太もも。
しかし胸はきっちりスーツと言うのに目立たなく、顔立ちも綺麗な方だが、命は全然興奮しない。
表情も眼鏡で隠されている。
「(はあ~。 政府もきっと俺らが飢えてるってわかってるんだろうけどさ……)」
内心ため息をつきながら、頭をがしがしとかく。
「聴いてますか?」
「あ~。 聴いてる聴いてる。 続けて」
いぶかし気な表情をする女性をよそに、命はつまらなそうに片手を振った。
長い話ほど、嫌いなものはない。
命が居眠りを決めこもうとしたその時。
「……と言う訳で、刀剣女士を好き勝手にしてよいという……」
それを聞いて、命の耳は分かりやすいほど、ピクリと動いた。
顔色は変えないまま、「どんな子?」と訊く。
女性は眼鏡を上げながら答えた。
「……とてつもない美少女」
「胸は?」
女性が見てもそういうのだし、第一刀剣たちは例がいなく、皆美形で、端正な顔の持ち主だ。
答えた瞬間発せられた質問に、女性は「はあ」とため息をつきながらも答えた。
「Fカップの巨乳です」
「身長は?」
「159cm」
そこまで、聴き、命は「ふうん」と目を妖しく細めた。
巨乳の上に、身長もちょうどいい。
それに本丸に女子を連れ込むなど無理な話のため、巨乳美女など写真でしか見たことない。
生で拝めるなど、ありがたい話だ。
「好き勝手、っていうのは、どの範囲?」
「折る、殺す、他の本丸に渡す、などは駄目ですね。 ああ、安心してください。 性行為も無論、行ってください。 もちろん、刀同士でも大丈夫です」
そう言われ、命の瞳に光が宿る。
その刀剣女士が来たら何をしてやろうか……。
考えるだけで、口角が上がった。