第2章 着、本丸
_「……」
襖に手をかけ、命は目をぎゅっと閉じた。
時刻は十時少し前。
あと三分もすれば、彼女がやってくる。
そう思うだけで勃ってしまう自分が情けない。
「よし」
襖を開け、布団の上にあぐらをかいて座る。
それとほぼ同時に、何もないところが光り輝いた。
思わず目を細めるも、光から人影が形成され、ふんわりと桜が舞う。
「……っ!」
光がやみ、恐る恐る目を開けると、目の前に絶世の美少女がいた。
綺麗な藤色を下地に花柄があしらわれた着物、大胆に出ている胸元と肩、映える赤い帯、短い丈のスカート、眩しいくらいな太もも。
全てが命を一目で、釘づけにさせた。
「……初めまして」
ゆっくりと目を開き、何度か瞬きしたあと、にこっと微笑した。
透き通るような声に、命の顔はさらに赤くなる。
「卯月切と申します」
……、と復唱した命はにんまりと笑い、「いい名前だな」と褒めた。
穏やかにしているが、自分のモノはビンビンに勃っている。
むしろ痛いくらいだ。
さっそく押し倒して本能のままにヤってやろう。
「と、殿方!?」
「早速、ヤらしてもらう。 拒否権はない」
政府にこのことを知らされていないは混乱したまま目をぱちくりさせた。
命が上に乗っている体勢である。
「っ……!」
命は月明かりを頼りに、その着物に手をかけた。